デルマルーヴルを筆頭に米3冠競走へ登録

2019年の米3冠競走へ登録済みの4頭の3歳馬のうち、デルマルーヴルとロマンティコの2頭はすでに「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」スキームでポイントを獲得している。残る2頭は、ダート転向後2戦2勝のマスターフェンサーと、2016年の米3冠競走すべてに出走したラニの半弟ゼルクである。

なお、デルマルーヴルとマスターフェンサーの2頭は、早くも2月17日のヒヤシンスSで激突する予定である。そして、東京競馬場の1600mを舞台に争われる同競走の上位4頭には、それぞれ30ポイント、12ポイント、6ポイント、3ポイントが与えられる。

登録馬4頭のうち、最も「履歴書」の優れているのがデルマルーヴルである。直近のポイント対象競走であった昨年12月19日の全日本2歳優駿での2着により8ポイントを獲得した同馬は現在、獲得ポイント順で3位となっている。なお、同競走の勝ち馬で20ポイントを有するノーヴァレンダと、カトレア賞の勝者メイクハッピー(12ポイント)は米3冠競走への登録がなされていない。

ルイジアナダービー (G2) とフォアゴーS (G1) の覇者パイロを父に持つデルマルーヴルは、ここまでダート競走のみに出走している。デビュー戦を4着とした戸田博文厩舎所属の同馬は、7馬身差で制した次走を皮切りに3連勝を達成。その中には外目を廻って圧勝した兵庫ジュニアグランプリ (Jpn2) も含まれる。次走に選んだ前述の全日本2歳優駿 (Jpn1) では、理想的な競馬をした勝ち馬ノーヴァレンダとは対照的な競馬でアタマ差の2着。展開次第ではこの馬がポイントリーダーとなっていても不思議ではなかった。

同様に「妥協」を強いられたのが、多田信尊氏所有のロマンティコである。このエンパイアメーカー産駒の牡馬は、全4競走で構成されるシリーズの初戦、昨年11月24日のカトレア賞での4着で1ポイントを得ているのだが、このレースでは内に閉じ込められ前が開かず、終始苦しい競馬であった。こちらもスムーズであれば、1ポイントで終わっていないのではと、思わせる。

タイキシャトル、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ等同様、藤沢和雄師の管理馬であるロマンティコからは、この先の良化が感じられる。現に、デビューから3着、2着とした同馬は、3戦目に順当勝ちとなる初勝利を7馬身差で挙げるのだが、この際には楽に逃げ切っている。その後は前述のカトレア賞を挟み、1月26日に5戦目を迎えている。ここでの8着はまさに「たたき」というべきもので、前走から10キロ増での出走がそれを裏付けている。

吉澤克己氏所有のマスターフェンサーは、その父が芝の活躍馬ジャスタウェイであるという事実を鑑み、デビューから2戦は芝を使われていた。そこで2着、4着とすると、管理調教師である角田晃一師は同馬の矛先をダートに向けた。そして同馬は、調教師のその決断が正しいものであったことを、2連勝というかたちで即座に証明してみせたのである。ただし、同馬のダート適性は必ずしも驚きではない。というのも、半兄トップディーヴォはダートの活躍馬であったし、彼らの母セクシーザムライは、半妹にダートG2勝ち馬のOne Carolineを持つ、(ダート巧者の)Deputy Minister産駒であるからだ。

なお、ダート初戦となった昨年12月23日の阪神での一戦では、終始追い通しにも関わらず3馬身半差の快勝を飾っている。そして、その経験が活きたのか、はたまた京都替わりが功を奏したのか、1月14日の次走はスムーズな競馬であった。ちなみに、その際2着に退けたのは、カトレア賞で期待を裏切り10着と大敗していたワシントンテソーロである。

前田晋二氏の自家生産馬であるゼルクは、UAEダービー (G2) に優勝し2016年の米3冠競走へ進んだ半兄ラニの蹄跡を辿ろうとしている。ケンタッキーダービー (G1) ではNyquistの9着に終わったラニであったが、次走のプリークネスS (G1) では5着に前進、そして、一番良いところを最後まで取っておくかのごとく、3冠最終戦のベルモントS (G1) では3着入着を果たしている。

同時期のラニと比較すると幾分遅れが見受けられるゼルクであるが、他の半きょうだい、すなわち、複数重賞勝ちのアウォーディーとアムールブリエがともに古馬となってから大成したように、ゼルクにも成長力が備わっている可能性は大いにある。なお、4きょうだいはその父をすべて異にする。ラニは、その父Tapit同様、芦毛である。そして、ゼルクは、父のAwesome Again、天皇賞勝ち馬である母のヘヴンリーロマンス同様、鹿毛である。なお、ゼルクの管理調教師は、騎手としてサンデーサイレンス産駒の母に騎乗していた、松永幹夫である。

ゼルクのここまでの4戦は、すべてダートでのものである。昨年11月10日のデビュー戦は、参加しただけの13着。その後は中京での5着を挟み、3戦目に同じ中京競馬場で未勝利を卒業している。その際2着に付けた3馬身半差は、他の出走馬が急減速する中で付けたものだったので、その見た目よりも内容の伴わないものであった可能性があった。そして、その懸念は次走、マスターフェンサーの6着というかたちで現実のものとなる。

2月17日のヒヤシンスSが終わると、残るポイント対象競走は3月31日の伏竜ステークスのみとなる。しかし、この中山競馬場での一戦以外にも、ドバイという選択肢が存在し、現に前述の4頭は、全頭が3月30日に行われるUAEダービー (G2) への登録を済ませてある。そして、同競走へは、地元の米3冠競走登録馬のみならず、欧州からの遠征馬も出走を予定している。



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